こんなときどうする?
医療的ケアが必要な子どもたちとその家族は、状況に応じてさまざまな支援を利用して生活しています。ここでは、医療的ケアを必要とするお子さんを育てる家族の方に向け、医療・福祉の専門家などからのアドバイスを掲載しています。「こんなときはどうすればいいの?」と思った時のヒントになる情報をお伝えします。
アドバイスをしてくれる人
Aさん
[重症心身障害児]
生まれつき低酸素脳症で生後3か月間 NICU に入院。
- 家族構成
- 父、母、弟の4人暮らし
- 生まれた時に必要なケア
- 気管切開、人工呼吸器、胃ろう、たん吸引
- 現在必要なケア
- 人工呼吸器、胃ろう、たん吸引
- 現在
- 10歳
Bさん
[軽度で歩ける]
未熟児で生まれて気管切開し、
医療的ケアはたん吸引が必要。
- 家族構成
- 父、母、姉の4人暮らし
- 生まれた時に必要なケア
- 気管切開、たん吸引
- 現在必要なケア
- なし(10歳で気管切開を閉じた)
- 現在
- 10歳
Cさん
[軽度で歩ける後天的医ケア児]
4歳の時にインフルエンザ脳症にかかり、医療的ケアが必要に。
- 家族構成
- 父、母、弟の4人暮らし
- 生まれた時に必要なケア
- なし(後天的に必要となった)
- 現在必要なケア
- たん吸引、胃ろう
- 現在
- 4歳
- Aさんの場合
- Bさんの場合
- Cさんの場合
NICUから退院。家ではどんな生活になるのかな?(3ヶ月)
退院して家での生活に移る際、退院カンファレンスを開きます。入院時のお子さんの状態をよく知っているNICUの看護師、MSWと、これから地域でお子さんを支えていく訪問診療医、保健センターの保健師、訪問看護師、相談支援専門員、児童相談所の児童福祉司などが集まって、在宅生活について一緒に考えていきます。家族でできること、サービスに助けてもらうことを考え、お子さん、ご家庭にとって最適な生活のしかたを決めていきます。
家での生活がスタート。退院カンファレンスで決めたこと、うまくできるかな?(3ヶ月)
病院からの連絡により、保健センターの保健師がご家庭を訪問します。お子さんの発育状況やその他の困りごとについて、ご家族のお話を聞きながら確認を行ったり、お住まいの地域での育児に必要な情報を紹介したりします。
お金のことが心配。補助はあるのかな?(3ヶ月)
使うサービスを見直して暮らしを整えたいな(6ヶ月~)
退院から数か月が経ったころ、「買い物に行く時間を作りたい!」など、家族が生活の中で「こうしたい」と思うことが出てくると思います。そんな時は相談支援専門員に相談してみましょう。「このサービスを使うとこんなことができるかな」「このサービスの日数を増やしたらこんなことができるかな」と見直し、サービスの使い方について相談支援専門員と相談してみましょう。
うちの子の発育は大丈夫かな?(1歳半)
地域の担当保健師は、発達の節目や就園のタイミングなどのライフイベントにそって、家庭訪問や電話でお子さんのご様子を伺います。医療的ケアが必要なお子さんは、体が固まりやすいことや、ケアがたくさん必要で器具医療用具の持ち運びが大変といった理由により、健診に連れていくことが難しい場合があります。健診に行けないことで、家族の方がお子さんの発達についてなど、不安に感じたことを相談してください。
たくさんのケアが必要な状態でもお友達と過ごすことができる場所はあるのかな?(2歳)
子どものこと、だれかと話したい! (1~3歳)
家庭で家族だけでお子さんのケアをしていると孤独だと感じてしまうことがあると思います。そんなときは相談支援専門員や保健センターの保健師に相談してみてください。お父さん・お母さん同士で交流できる場所のご案内もできますよ。
総合病院に通うことが大変になってきた(5歳~)
就学はどうしたらいいの?
学校の選び方
医療的ケアが必要なお子さんの学びの場は、通学による教育形態だけでなく、特別支援学校等の教員による訪問教育など、さまざまです。それぞれのお子さんの状況を考慮の上、本人と保護者の意向を尊重して、適切な学びの場を決めていきます。以下に記載の「さまざまな学びの場」や学校と医療との連携に関する情報を参考にしてください。
相談窓口 学区の小学校の教頭
保護者の声
子どもにはたん吸引の医療的ケアが必要ですが、通常の学級への入学を検討しました。地域療育センターなどから、学区の小学校に相談するようにアドバイスを受け、学区の小学校の教頭先生に話を聞いて、医療的ケアの必要な児童への看護介助員等の制度があることを知り、利用の仕方について相談しました。
未熟児で生まれて気管切開。退院後、自宅ではどんな生活になるのかな?(3ヶ月)
退院をして在宅生活に移る際、退院カンファレンスを開きます。入院時のお子さんの状態をよく知っているNICUの看護師やMSWと、これから地域でお子さんを支えていく訪問診療医、訪問看護師、保健センターの保健師、児童相談所の児童福祉司などが集まって、在宅での生活がなるべく不安なく始められるように必要なサービスを一緒に考えていきます。
家での生活がスタート。退院カンファレンスで決めたこと、うまくできるかな?(3ヶ月)
病院からの連絡などにより、保健センターの保健師が医療的ケアの必要なお子さんのご家庭を訪問します。お子さんの発育状況やご家族の体調を確認したり、ご家族のお話を聞いたりしながら確認を行います。障害者手帳の取得が難しく、使えるサービスが限定されてしまう方については支援機関、相談機関とうまくつながることができているのか、より丁寧に聞き取りを行い、お住まいの地域での育児に必要な情報を紹介します。
お金のことが心配。補助はあるのかな? (3ヶ月)
医療費については子ども医療証によって基本的に自己負担なしで治療を受けることができます。低年齢のお子さんで症状が固定していない等の理由により、さまざまな福祉サービスを受ける上で必要な障害者手帳の取得が難しい場合、小児慢性特定疾病児童日常生活用具給付の制度を利用できることがあります。この制度を利用することで、日常生活用具の購入費助成などのサポートを受けることができます。
子どもの発達が気になる…。誰に相談するといいかな?(8ヶ月)
夜間のたん吸引の回数が頻繁。体調を整えたいな・・・(9ヶ月)
夜間もケアが必要で、ケアをする家族がまとまった時間眠ることができないなどの理由で体調を整えたい場合、短期入所(ショートステイ)のサービスを活用することができます。1~2泊程度お子さんを預かってもらうことで、家族の方の体調を整えることができます。
歩けるようにはなったけど、今度は言葉が心配(1歳6ヶ月)
保健師訪問の際に相談することをおすすめします。言葉が心配などといったご相談に対しては地域療育センターでの相談を案内するなどして、お子さんの状況に合わせてアドバイスを行います。
お友達と過ごすことができる場所はあるのかな?(2歳)
相談支援専門員や保健師に相談してみましょう。地域療育センターの療育グループや児童発達支援事業所など、お子さんや家庭の状況に応じて通うことができる場のご案内ができます。
就園・就学はどうしたらいいの?
保育所における医療的ケアが必要なお子さんの受入について
保育所においては、お子さんの障害、必要な医療的ケアの内容および施設の状況に応じて、看護師または保護者が対応できる場合は、お子さんの受入れを行っています。
保護者の声
3歳になり、体調が安定し、訪問看護も終了。たん吸引も少なくなり、自力排痰もできるようになってきたので、主治医や地域療育センターのスタッフなどに相談し、保育園を見学しました。看護師さんのサポートがあることがわかり、区役所に保育所への入園の申請をしました。
学校の選び方
医療的ケアが必要なお子さんの学びの場は、通学による教育形態だけでなく、特別支援学校等の教員による訪問教育など、さまざまな場所があります。それぞれのお子さんの状況を考慮の上、本人と保護者の意向を尊重して、適切な学びの場を決めていきます。以下に記載の「さまざまな学びの場」や学校と医療との連携に関する情報を参考にしてください。
相談窓口 学区の小学校の教頭
保護者の声
子どもにはたん吸引の医療的ケアが必要ですが、小学校への入学を検討しました。療育センターなどから、学区の小学校に相談するようにアドバイスを受け、学区の小学校の教頭先生に相談したところ、医療的ケアの必要な児童への看護介助員等の制度があることを知り、利用の仕方について教えてもらいました。
4歳でインフルエンザ脳症にかかり、医療的ケアが突然必要に…(4歳6ヶ月)
元気に育っていたお子さんが、突然の病気や交通事故に遭って医療的ケアが必要になった時、お子さんもご家族の方もこれまでの生活が大きく変わってしまい、大きなショックを感じてしまうことが多いと思います。病院では、入院中に看護師がお子さんやご家族の方の気持ちを丁寧にお聞きします。お子さんやご家族の状況によっては、臨床心理士が対応させていただくこともあり、より丁寧に専門的なケアを行います。相談を重ねていく中で、お子さんやご家族の方から「今後は家でこういうふうに生活をしていきたい」といったお話をいただいた際には、MSWも対応させていただき、具体的なサービスの利用について提案するとともに、問題の解決の糸口を一緒に考えます。
退院後、家ではどんな生活になるのかな?(4歳9ヶ月)
病院では、退院をして在宅生活に移る際、退院カンファレンスを開きます。入院時のお子さんの状態をよく知っている看護師、MSWとこれから地域でお子さんを支えていく訪問診療医、訪問看護師、保健センターの保健師、児童相談所の児童福祉司などが集まって、在宅での生活ができるだけ不安なく始められるように、必要なサービスを一緒に考えていきます。
家での生活がスタート。退院カンファレンスで決めたことができるかな?(4歳10ヶ月)
病院からの連絡などにより、保健センターの保健師が医療的ケアを必要とするお子さんのご家庭を訪問します。ご家族の話を聞いたりしながら、お子さんの状況やご家族の体調の確認を行います。障害者手帳の取得が難しく、使えるサービスが限定されてしまう方については、支援機関や相談機関とうまくつながることができているか丁寧な聞き取りを行い、お住まいの地域での育児に必要な情報を紹介します。
お金のことが心配。医療費の補助はあるのかな?(5歳)
医療費については、障害者医療費助成制度、小児慢性特定疾病医療費助成制度、子ども医療費助成制度などがあります。いずれの制度も、交付される医療証等を医療機関の窓口に提示することで、保険診療分の医療費の負担軽減があります。また、小児慢性特定疾病医療費助成制度については、入院時の食事代の負担軽減もあります。
※それぞれの制度の対象者などの詳細については、名古屋市のホームページ等でご確認ください。
たん吸引器を購入したいけど、補助はあるのかな?(5歳)
障害者手帳や小児慢性特定疾病医療受給者証をお持ちの方に、日常生活用具等の給付事業を行っており、購入費用について一部助成を受けることができる場合があります。これらの制度を利用することで、日常生活用具の購入費助成などのサポートを受けられる場合があります。
※障害者手帳をお持ちの方の日常生活用具給付についてはこちら。
※小児慢性特定疾病医療受給者証をお持ちの方の日常生活用具給付についてはこちら。
きょうだいの心のケアはどうしよう…(5歳)
医療的ケアが突然必要になったことで、ご家族はとても不安だと思います。特に医療的ケアが必要になったお子さんにごきょうだいがいる場合、ごきょうだいの心のケアはどうしよう…と悩まれる方も多いのではないでしょうか。そんな時は、相談支援専門員や保健師に相談してみてください。お父さんやお母さんが弟さんと過ごす時間を取れるように訪問看護などのサービスの調整をしたり、保健師がご家族の体調や、子どもの発達などについてお悩みをお聞きしたりするなどの支援を行います。
夜間のたん吸引の回数が頻繁。体調をととのえたいな…(6歳)
夜間もケアが必要で、ケアをする家族がまとまった睡眠時間をとることができないなどの理由で体調を整えたい場合、短期入所(ショートステイ)のサービスを活用することが可能です。1~2泊程度お子さんを預かってもらうことで、家族の方の体調を整えることができます。
今後も子どものことで相談に乗ってくれる人はいるのかな?(6歳)
家での生活に慣れてきたけど、子どもたちのことが心配になり、今後も長期的に相談に乗ってくれる相談相手がほしいと思われることがあると思います。何か困ったこと、不安に思うことがあれば、保健センターの保健師に相談してください。保健センターでは子育て総合相談窓口を設けており、子育てに関する相談や子どもの発達に関する相談を受け付けています。
通園・通学はどうしたらいいの?
保育所等における医療的ケアが必要なお子さんの受入について
保育所等においては、お子さんの障害、必要な医療的ケアの内容および施設の状況に応じて、看護師が対応できる場合は、お子さんの受入れを行っています。
~事故や病気により後天的に医療的ケアが必要になった方へ~
在園中に医療的ケアが必要になった場合の今後の通園の仕方、保育中のケアについてのご相談は、各保育所等の施設長までご相談ください。
保護者の声
子どもが4歳の時に後天的に医療的ケアが必要になりました。今の子どもの状態で引き続き保育園に通えるかどうか主治医や地域療育センターのスタッフなどに相談した上で、今通っている保育園の園長先生に相談しました。子どもの状態によっては看護師さんに対応していただけることがわかり安心できました。
学校の選び方
医療的ケアが必要なお子さんの学びの場は、通学による教育形態だけでなく、特別支援学校等の教員による訪問教育など、さまざまな場所があります。それぞれのお子さんの状況を考慮の上、本人と保護者の意向を尊重して、適切な学びの場を決めていきます。以下に記載の「さまざまな学びの場」や学校と医療との連携に関する情報を参考にしてください。
相談窓口 学区の小学校の教頭
~事故や病気により後天的に医療的ケアが必要になった方へ~
小学校在学中に医療的ケアが必要になった場合、今後の通学の仕方、保育中のケアについてのご相談は小学校の教頭までご相談ください。
保護者の声
子どもが小学校3年生の時に交通事故に遭い、医療的ケアが必要になりました。これまで地域の小学校に通っており、継続で通えるかどうか学校の教頭先生に相談しました。相談をした時に医療的ケアの必要な児童への看護介助員等の制度があることを知り、利用の仕方について相談しました。
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